南城市大里にある
「茶房 一葉」で美味しい中国茶が飲めるということで、店主の上原美智代さんにお話を伺ってきました~
-ごさまるお-
茶房『一葉』初めて来ましたが温もりを感じるカフェですね。
南城市大里にこのような場所があったなんて
お店の名前も素敵ですね
-上原さん-
茶房を開いて12年になります
お店の名称は
一つの葉っぱからお茶(日本茶、中国茶、紅茶など)ができるということから「一葉」にしました。
(話しながらお茶を入れてくれる上原さん☆)
どうぞ このお茶は如何かしら
-ごさまるお-
いい香り
この一口サイズのちっっちゃな茶碗で飲むのですね。
ほぉぉぉ(*´▽`*)
飲み干した後にジャスミンの香りが広がって、落ち着きます
-上原さん-
気に入っていただいてよかったです。
実は、
このジャスミン茶は「一葉」のお手製なんですよ。
お店の周りにプランターがありましたでしょ
そのプランターに植えたジャスミンの花は夜開きます。夕方に摘んだジャスミンの蕾を緑茶に混ぜて一晩で開かせ香りを吸着させるんです(*´▽`*)
-ごさまるお-
サンピン茶を自らの手で作っているとは、すごいですね
お茶については
本場中国で勉強されたのですか
-上原さん-
そうですね
17年前に、あるツアーに参加して「お茶」について勉強したのが始まりです。その時に、世界のお茶の発祥は中国だと学び、いろいろな種類のお茶に興味を持つようになりました
その後中国で研修を受け、
中国国家認定の茶芸師という職業資格を取りました。
-ごさまるお-
へぇ~、本格的ですね~
あまり聞きなれないのですが、茶芸師とはどのような職業資格なのでしょう
-上原さん-
茶芸師とは日本の美容師、調理師などと同じような職業資格で、お茶に関する発酵などの知識は基より、実際にお茶を
「美味しく丁寧に淹れる」が認定の条件にあり、技術的要素も持ち合わせている資格でもあるんです
-ごさまるお-
資格を取るにも相当勉強しなきゃいけないと思うのですが、中国でお茶に触れて驚いたことってありますか
-上原さん-
あります。目から鱗だったのが・・・
中国のお茶と言えば烏龍茶を想像する方が多いと思います。ところが、実際は、
7割以上が緑茶で、緑茶を飲む人の方が断然多いんですね。二次加工的にサンピン茶になったり、プーアル茶などになったりもしますが、生産量として7~8割は緑茶です
他にも、ジャスミン茶のことを中国では「香片茶(サァン・ピェン・チャァ)」と言います
沖縄で愛飲されているサンピン茶が中国との交易時代に伝わり中国語の発音が変化して「サンピン茶」となりました。沖縄の人たちは昔から中国茶、つまりサンピン茶を飲んでいたということです
-ごさまるお-
発酵茶が主だと思っていたので生産高の7~8割が緑茶だとは驚きました。
現地では、どのようなことを学びましたか
-上原さん-
中国でお茶を勉強する際の導入として、まず「緑茶」から入ります。ですから、日本の緑茶との違いが明らかになります。そして、中国の烏龍茶、プーアル茶、紅茶、と段階を追って勉強していきます
-ごさまるお-
僕も中国に住んだことがありますが、中国の方々って自国の文化に誇りをもっているし、他国の文化にも興味をもっているんですよ。そういった意味では、
茶芸も一つの文化として世界に知ってもらいたいという思いがあったのではないかと思うのですが、その辺りはいかがですか
(お茶を学ぶため中国に渡った日本人:聖一國師の石碑 径山寺にて)
-上原さん-
そうですね。
私が中国へ行って中国で資格を取得できたということは、
中国の文化である「お茶」の素晴らしさを伝えたい、ということなんだと思います。そうでなければ、何千年も続いている文化をそう簡単に教えることはないと思います。
沖縄に観光に来る中国や台湾の方たちはマイボトルを持ち歩いていますねボトルには緑茶を入れて、何度も熱いお湯を継ぎ足しては1日中飲んでいます。
「煎がきく」と言って贅沢な飲み方なんですね。それくらい中国や台湾の方たちにとっては「お茶」は身近なものなんです
-ごさまるお-
何度でも美味しくいただけるとは贅沢ですね
僕も中国のお茶を贅沢に飲んでみたい ということで、おススメの中国茶を教えてください
-上原さん-
おススメのお茶は・・・
無いことは無いんですけど、今はコロナで渡航できないので、あるとしても買えないんです
・・・でもあります
緑茶、白茶、黄茶、烏龍茶、紅茶、プーアル茶とあるんですが、緑茶以外のほとんどのお茶は保存が良く、賞味期限が長いんですね。緑茶に関しても、日本の緑茶に比べ、保管状態がよければ結構持ちはいいです。
むしろ、10年~20年経ったお茶の方が価値が高くなるというお茶もあるので一概にこれ!とは言えませんが、
プーアル茶、烏龍茶が比較的に手に入りやすいと思うので、おススメです
-ごさまるお-
お茶って色んな種類がありますが、全てお茶の樹の葉っぱから作られているんですよね
-上原さん-
そうですね。
お茶はツバキ科の樹なんですが、その葉っぱが自力で酸化・発酵するという科学的変化の働きで緑茶になったり紅茶になったり烏龍茶になったりするわけです。
例えば、ここに1本のお茶の樹があったとして、「あなた紅茶作りなさい、烏龍茶作りなさい、緑茶作りなさい」となった場合、作れはします。但し、発酵方法によって酸化が上手くいくものと上手くいかないものがあります。
そういったものを
見極めて、「この発酵方法は紅茶に向いているなぁ、烏龍茶に向いているなぁ」と作り分けられるのが、お茶の面白さです。
-ごさまるお-
なるほど、面白いですね
お茶の葉っぱは、地域や育つ環境によっても品質や味が変わってくるのでしょうか
-上原さん-
変わってきます!
中国は広大な大陸です。北は山東省から南は雲南省までお茶が栽培されています。その場所によって緑茶が主体だったりプーアル茶が主体だったりしますが、中国国内は陸続きでどのお茶でも手に入りますね。
台湾は小さな島国でありながら高低差が0地点から高山の3,000m級の山まであるので、その高低差を利用してお茶が生産できます。茶葉は育った環境によって風味に違いが出てくるし、その茶葉を烏龍茶にすれば幅が更に広がります。烏龍茶は、発酵焙煎の強いものから緑茶の緑に近いような烏龍茶まであります。わかりやすく言えば、台湾の烏龍茶の風味を指で数えたとしたら1~10の味わいがあって楽しめます。緑茶の場合だと1~3程度になります。なので、台湾の烏龍茶はバラエティ豊かで面白いと思います。
-ごさまるお-
上原さんのお話を伺っていると、益々「お茶」に興味が湧いてきました(*´▽`*)
また、上原さんの淹れてくれるお茶とお茶請けをお目当てに「一葉」に来ますね
最後に、
上原さんにとって「お茶」とは何か教えてください
-美智代さん-
私にとってお茶とは、「その日の気分によって選べるバラエティ豊かで楽しめるもの」ですね
中国では茶館といってお茶を飲める場所があるんですが、そこへ行けば話が弾み皆仲良くなれるという文化があります。
まさに中国の四字熟語にある
「以茶会友」を表していると思います
-ごさまるお-
いい言葉ですね
今日は、お茶を飲みながらお話ししたせいか、気持ちがホンワカいい気分です
また、楽しいお話を聞かせてくださいね~。
美味しいお茶と茶請けのマントウもごちそうさまでした
※掲載写真の一部はブログ「一葉」から抜粋しました。
2013年 10/16~、2015年 5月~のブログをご覧になると詳細がわかります
Interviewee:上原美智代
Interviewer:ごさまるお・ちゅら子
Writer:ごさまるお・ちゅら子
Proofreader:プー子